サーバー OS

Windows 8 サーバーでは、x64 プロセッサーのみのサポートとなり、IA64 プロセッサーのサポートは廃止されます(最大 CPU は 640 個で最大 RAM は 4TB の予定)。

Windows 8 サーバーは、Microsoft のクラウド基盤である Windows Azure との親和性を強化しており、Windows Azure AppFabric / Windows Server AppFabric の相互連携や、Active Directory Federation Services の利用等、Windows Azure と企業内のオンプレミス環境とのハイブリッドクラウド環境基盤を構成するサーバー OS として提供されます。

そして、Windows 8 サーバーでは新たなファイルシステム(ReFS: Resilient File System)が搭載されます。ReFS はNTFS をベースにファイルストレージ用に最適化されたファイルシステムであり、ブートフォルダーとしては使用できません。

  • Windows 8 サーバーの Server Manager(サーバー管理ツール)では、ローカル環境だけでなく、複数のサーバーを統合管理できるようにエンハンスされます。OS 標準ツールで複数サーバーの統合管理ができることのインパクトは大きいです。
  • Windows 8 サーバーには、SMB 2.2 が搭載されるため、10GbE への対応が強化されます。これは、ファイルサーバーの機能強化の一環です。また、Data Deduplication 機能が追加され、NTFS ボリューム上にあるファイルの重複除外(似たようなファイルや、同一ファイル(別のパスに保存されている)を検知して削除できる)を行うことができます。これにより、ディスク領域の使用率抑制と、バックアップの効率化につながるはずです。
  • 従来の Windows サーバーでは、フルインストール(Server Graphical Shell)および Server Core の 2 種類の実行モードが提供されていましたが、Windows 8 サーバーでは、これらの中間に値する Features On Demand モードが追加されます。これは、必要な機能をリモートでインストールを行うモードになります。フルインストールおよび Features On Demand モードでは、Server Graphical Shell のアンインストールが可能です。つまり、Windows 8 サーバーでは、フル UI 提供の Server Graphical Shell モード、UI 無しの Non Server Graphical Shell モード、Server Core モードの 3 種類の実行モードが提供されることになります。
    Server Graphical Shell は、いつでもインストール/アンインストールができ、Non Server Graphical Shell モードにすると、Server Core と同様に、コマンドプロンプトのみのシンプルな画面になりますが、コマンド起動により、OS の管理ツールを起動することができます。
  • Windows 8 サーバーに搭載される Hyper-V 3.0 では、VM ストレージの互換性が強化され、Hyper-V 3.0 用の VM と Windows Azure VM ロール上の VM で完全な互換性が提供され、相互に、マイグレーション可能となる予定です。また、1VM あたり、最大 32 CPU、最大 512GB の RAM を割り当てることができ、Hyper-V 3.0 上では、最大 1024 の VM を実行することが可能となる予定です。
    さらに、Hyper-V 3.0 では、Live Migration に加えて、Storage Live Migration がサポートされるため、仮想 OS の稼働中に仮想ディスクを移動することができます。なお、VHDX 形式にすることで、最大 16TB の仮想ディスクを作成できるようになります(従来の VHD は 2TB まで)。そして、HyperVisor では、仮想 NUMA がサポートされます。
  • Windows Azure AppFabric / Windows Server AppFabric の相互連携により、.NET サービスアプリケーションのアプリケーションドメインに Windows Azure ワーカーロール側サービスと Windows Server AppFabric 側サービスの両方を含めることができ、どちらのホスト環境でもホストできるため、ハイブリッドクラウド基盤を構築する際、多くの利便性があります。
  • IIS 8.0 は非常に多くのエンハンス項目があり、特に WS* 系の Web サービスに関するサポートが多くあります(例えば、WebSocket サポート)。
  • Windows 8 サーバーでは、複数の NIC を束ねて冗長化された 1 つの NIC として構成できる NIC チーミングが標準でサポートされます。この機能を利用することで、OS 標準機能で負荷分散やフォールト・トレランス性を高めることができます(例えば、有線用 NIC と無線 WiFi とでチーミングできる)。なお、NIC チーミングは Hyper-V からも使用することができます。

次項に続く…。