Deep Ribbon

はじめに

従来より、リッチクライアントアプリケーションには、ツールバーと呼ばれるボタンの集合体が提供されていましたが、アプリケケーションの機能追加が多くなるにつれて、ツールバーは肥大化し、コンテンツエリアを圧迫する結果を生み出してしまいました。そこで、Microsoft では、ツールバーを一新し、Microsoft Office 2007 System より、それに変わるものとして、タスク志向 UI である “リボン(Fluent ユーザーインターフェースとも呼ばれています)” を採用しました。リボンはタスクをグループ化して、グループをタブ化することにより、コンテンツエリアを圧迫することなしに機能ランチャーを操作できるため、優れた UI を提供しています。
リボンは、Office 製品から始まりましたが、OS レベルで「リボン フレームワーク」が提供されたことにより、OS コンポーネント(ワードパッド、ペイント)だけでなく、Windows Live 製品でも次々と使用されており、今後、さらに、リボンの採用が拡大されていくことでしょう。OS レベルで「リボン フレームワーク」が提供されるということは、ユーザーが開発するアプリケーションでも Microsoft 製品と同様のリボンを実装することができるわけです。現在、リリースされている Windows 7(Windows Vista SP2 以降)で「リボン フレームワーク」を使用することができます。
Windows リッチクライアントアプリケーションを開発する際には、Win32 ネイティブアプリケーションや MFC アプリケーション、.NET Framework による Windows フォームアプリケーションや WPF アプリケーション等があり、それぞれに、ライブラリやフレームワークとしてリボン開発環境を提供していますが、リボンの動作を理解するには、バックグラウンドで何が行われているかを把握する必要があります。
次期 Windows の標準アプリケーションでは、さらにリボンの採用が多くなり、今後はサードベンダーのアプリケーションでもツールバーからリボンへの移行が進むと考えられます。
本稿では、リボン フレームワークのコア部分に焦点をあて、リボン フレームワークの仕組みを解説していきます。

  • Deep Ribbon Part1
    – リボンの基礎
    – リボンフレームワーク
    – リボンの実装方法
  • Deep Ribbon Part 2 (Coming Soon…)
    – リボンマークアップ
    – リボンコマンド
    – リボンのビルド環境について